「鳥肌が立った」これが、1年近くのテスト期間を経て最終サンプルを触った時の感想。
僕自身、ここまでのモノが上がってくるとは思わなかった。
実際、細部にこだわり計算されたパーツ・テーパーデザインを何度もテストを繰り返したが、1つの大きな壁をいつまでも超えられていなかったのだ。
「GWT61SULJ(チューブラーブランク)との差別化」
それは、僕の前作、現在トーナメントの主軸として活躍している
GWT61SULJの存在。
現役バリバリのGWT61SULJがある上で、なぜ?似たようなスペックのロッドを出すのか??
自分で作り、使いこなしているGWT61SULJは近年のトーナメント事情を考慮すれば、間違いなくトップレベルのトーナメントロッドだと思っている・・・まぁ自分で言うのもなんだが・・・。
チューブラーブランクの特性を最大限に生かすためのレングス・テーパー・ガイドセッティング・その全てが自身のトーナメント成績をアップさせる為に、作りだしたモノなのだから、当然と言えば当然。
ゴールデンウィングの特性である張りのある高感度なカーボンブランクは反発力の強さが生み出す飛距離アップや軽さから生まれる操作性・感度を使い手にもたらしてくれる。その結果、GWT61SULJをトーナメントという枠だけではない近年のハイプレッシャー化したフィールドに対して1匹のバスを釣るために必要不可欠なロッドとして存在させているのだ。
近年、全国的にバスフィールドはハイプレッシャー化が進み、1匹のバスを釣り上げるのも至難の業だ。
それはトーナメントの舞台でも同じ事が言え、僕が参戦しているTOP50シリーズでは、
ハイプレッシャーのもとでのライトリグのスキルが成績を出す上で重要となっている。
他のアングラーよりも「1gでも重い」バスを少しでも多く釣り上げなくてはならないトーナメントの世界では、ハイプレッシャー化したバスを釣り上げる事の出来る「スキル」と「タックル」を持ち得ているかが重要で、僕自身、GWT61SULJのテストから完成に至る間の成績は常に上位を維持しているのだ。
僕が重視していることは・・・。
1)バスとの距離
より離れたポジションからより正確にキャストを決める事が出来れば、バスの学習能力にない位置からのルアープレゼンテーションが可能になり、ハイプレッシャー化したバスもハイプレッシャー化する前の捕食体制でバイトしてくる事が多い。
これはロッドの性能で言えば、より遠くへ、より正確に投げられるロッドが必要だ、ということである。
2)テクニック
ロッドワークでルアーにバスを騙すアクションを加え、バイトを誘発する。
言葉にすると簡潔だが、要はいろんな技、アクションということだ。
これはロッドの性能で言うと、操作性。長さや軽さという基礎的なことだけではなく、狙ったアクションをストレスなく行えるか、ということ。
GWT61SULJはこの2要素を極めて高い次元でクリアしているのだが、特に
1)、つまり飛距離についてはライトリグロッドとしてイイ線いってると思う。
では
2)の要素。これについては最近のトーナメントシーンで主流となる微波動シェイク(ビビビ・・・シェイク)やミドストからなる中層スイミングなど、シェイキングが上手くできるか、ということになる。
「絶対にいる!!ここにはバスがいる!!」と思えるおいしいストラクチャーがあったとしよう。
当然そのストラクチャーは誰もがキャストを繰り返し、様々なルアーが飛んでくる。そんなストラクチャーについているバスはいわゆる天才級で簡単には口を使わない。
そこでテクニック=シェイキングなるモノで口を使わす・・・っが、それも誰もがやっている事で、バスも見慣れている。

TOP50で勝ちぬくには、さらに1歩先の高いレベルが必要なのだ。
僕達プロならば、そのようなストラクチャーにキャストを入れシェイクを繰り出したら・・・最後、ラインの存在を消す作業に入るだろう。
いわゆる「ラインスラック」というものだ。
ラインを張るからバスに悟られる・・・だったらラインを張らなければいい・・・・
しかし、それではシェイキングが成り立たない・・・
バスを釣る為にシェイクを行っているのに、シェイクを行ったらバスに気づかれてしまう・・・・完全に悪循環である。
これはプロでも非常に難しく、張らず緩めずのラインテンションからのシェイクで、ラインの遊ぶ動きでルアーに微波動なアクションを伝える・・・超高等テクニックなのだ。
Fショーのセミナーや日々のガイドで同じ事を何度も話してはいるが・・・聞くと行うでは全然違うもので、そうそう簡単にできるモノではない。
しかし、これを何とか簡単に行う術はないのだろうか?
これが今回の新作である
GWT60SL-SJを作るきっかけであり、このロッドの存在理由でもあるのだ。
「シェイキングを自在に行えること。このロッドの狙いはそこにある。」
僕がこのロッドに求めたのは、普通にシェイクをしていてもラインの存在を消す事の出来るというもの。しかし単にペニャペニャな腰のない柔らかなロッドでは、扱う事の出来るルアーが限られてしまうので、ある程度の引き抵抗のあるルアー(ストレートワームのネコリグやジグヘッドワッキーやスモラバ)をきっちりキャスト・操作する事が出来て、なおかつラインの存在を消せるティップアクション・・・更に、分かりやすいストラクチャーなどにキャストをしていく為のストラクチャーから離すバットパワー。
正直、開発担当の鬼形氏と「こんなモノ作れるの・・・・??」
そこから幾度とないテストがスタートした。
チューブラーブランクで繊細さを追及していくと、どうしてもパワー不足に陥りがち。フルソリッドブランクであっても、いわゆる食わせ重視、勝手に掛かる系ロッドではシェイキングなどの操作性が極めて悪い。
何本ものテストサンプルを作り、何度もテストを行い、素材・ガイド・テーパーデザイン・・・試行錯誤を続け、ようやく2010年度のTOP50第一戦を直前に控えたタイミングで完成に至った。
その完成版を持った時のファーストインパクトが冒頭にある「鳥肌が立った」なのだ。
まさに書いてきた事をパーフェクトに具現化したモノ。
「これがあればイケる・・・」そう思わせてくれた代物だ。
素材には幾度とないテストからフルソリッドブランクを採用。チューブラーのブランクでは反発力が強すぎてシェイク中にどうしてもラインを張りやすくしてしまう。また、シェイク中にバイトが起きるという事もあって、吸い込みの良いソリッドブランクを選んだ。そして、引き抵抗のあるルアーにもアクションをかけられるように、ティップだけが吸い込むようなソリッドティップは採用せずに、全体にティップからベリー・バットのアクションを微調整する事の出来るフルソリッドを採用したのだ。フルソリッドであれば、ブランク内の中空になっているスペースが存在しないため、トルクフルなロッドパワーを繊細なティップを搭載してもなお両立する事ができるのだ。
ただ・・・フルソリッドの難点が一つ。
チューブラーブランクと違いロッドの自重が増してしまうという問題があった。
テーパーデザインはフルソリッドでなくては成立しないデザインであり、バスに違和感なくバイトさせるティップに抵抗のあるルアーにアクションをかけるベリーにバスをストラクチャーから引き離すロッドパワー。
ラインを通さずに振った感覚はEXファーストと感じるデザインも重さが掛りベントカーブを描いた瞬間にスムーズな曲がりからなるファーストテーパーだと分かる。
このデザインあってのロッドである分、ブランクをただ単に軽さを求め変更する事はできなかった。
そこで、着手したのがブランク以外のパーツでの軽量化。ブランクに加わる重量の中で最も大きな存在、ガイドのセッティングを煮詰めていくことにした。

幅広いラインの太さに対応できる中での最少サイズを選択する事で、ブランクへかかる重さを軽くする。特に繊細なティップ付近は何度となくサイズ、位置の修正を行った。
トップガイドにT-MNST5を採用し、ティップ部分にはT-LSG4.5番を2個。もっとも繊細でガイドの影響を受けやすいティップ部分のガイド設定を煮詰めることで、ロッド自体の自重を軽くすると共にフルソリッドにありがちなダルダルさと先重り感を解消したのだ。
またバット側にセッティングされている一番下のガイドもGWT61SULJと同様にT-YSG30からT-YSG25に変更した。キャスタビリティーの重要性は前述した通りなのだが、これを主眼に置いて作り上げたロッドが前作のGWT61SULJであり、キャスタビリティーと正確性はGWT61SULJに任せた・・・・と言っては大袈裟なのだが、まぁ、そのくらいの割り切りで設定した。
キャスタビリティーと汎用性は
GWT61SULJ。
誘いと食わせは
GWT60SL-SJ。
といっても、このGWT60SL-SJ。ダルダルの「気がついたらバスが掛かってました」という味付けではなく、あくまでもリグを操作する、掛ける、という動作は使い手自らが仕掛けていく能動的なロッド。守備的(ディフェンシブ)なロッドではく、攻撃的(オフェンシブ)なフィネスロッドだということを強調しておきたい。
「この2本があれば今現状のハイプレッシャーバスなんて関係ない!!」
自信を持って言えるアイテムがこれでようやく揃ったのだ。
トーナメントシーンからオカッパリからボート・・・様々な状況からバスを狙っていくが、どの状況下で釣りをしていても気になるハイプレッシャー化。
僕たちは日々の釣行から、その事を体感している。そのハイプレッシャーを打破し、釣果という答えを多く提供できる為のモノ作りを心掛けている。
GWT60SL-SJと前作のGWT61SULJは、プロである僕自身の経験・知識からなる右腕と左腕を具現化し、皆様に更なる釣果を提供すべく作り上げた渾身のロッドなのだ。